ウナギの値上がり問題について

1.日本経済の弱体化がもたらす問題点について

近年になってから日本国内において、食の常識が揺らぐような事態が多発しています。
それぞれの事態には個別の背景がありますが、実は深い部分で全て繋がっているものです。

その根本的な要因となっているのが、日本経済の弱体化です。
日本経済の弱体化を解決しなければ、根本的な解決にならないわけです。

食料品の中でも目立って高騰が続いているのがウナギです。
背景には漁獲量の減少がありますが、その傾向がさらに高まっているわけです。

>>“不漁”のうなぎ 実は余ってる?|NHK NEWS WEB

稚魚であるシラスうなぎの取引価格は、1キロあたり100万円前後で動いていましたが、最近になって4倍近くに跳ね上がっています。それは前代未聞の事態で、このままではビジネスとして成り立たなくなると言われています。それにともなって中央市場で取引される価格も、急騰しているのが現状です。

ウナギが高騰する原因として、通常は漁獲量の減少が挙げられます。
一方で、日本経済の構造的な要因を指摘する声も多くなっています。

2.鰻が地球上から絶滅してしまう予兆か?

実際のところ鰻は絶滅危惧種に指定されており、このままでは種としての存続が危ぶまれます。
何年も極端な不漁が続いているのは、鰻が地球上から絶滅してしまう予兆かもしれません。

世界的には単なる上下変動と見なされていますが、それだけに収まらない可能性もあるわけです。
また、価格が高騰しているのは鰻だけでなく、生鮮野菜にも当てはまることです。

一般消費者が手が届かない、高価格になることも珍しくありません。
シーズンでは1キロ400円以下だったレタスが、いきなり1000円以上になることも珍しくありません。
それはキャベツ等に関しても言えることです。

野菜の高騰には天候不順が関わっているとされますが、大型台風の上陸などによる影響もあります。
その他、寒波襲来によって不作になることもあり、生産量が極端に減少してしまうわけです。

春になって気温が落ち着けば、価格が下落に転じることもあります。
但し、それだけが野菜の値段が高騰している理由になりません。

3.経済的な要因が加わることで異常な事態を招く

消費者が全て納得しているわけでなく、多くの消費者が値段が高いことに疑問を持っています。
昨今の傾向として何か不都合な事態が発生すると、天候や自然のせいにします。

但し天候不順は、今に始まったことではありません。
天候不順は勿論価格に影響しますが、経済的な要因が加わることで異常な事態を招くと言えます。
その背景には構造的な、消費性向の弱さがあります。

日本は世界最大のウナギ消費国であり、全収穫量の7割くらいを消費しています。
日本には元々土用の丑氏の日など、鰻を食べる習慣が根付いています。

鰻を食べることは日本の伝統と考える人が殆どですが、実は歴史的にはつい最近の出来事だと言えます。
1990年代頃から格安の鰻パックが、スーパーなどで売られるようになりました。

かつては街の専門店で食べることが多かったのが、値段が下がったことで家庭にも普及したわけです。
鰻も元々贅沢品であり、余裕がある人しか食べられませんでした。

それが一般家庭に普及したことで、消費量が一気に上昇したわけです。
現在はお隣の国でも鰻の消費が進んでおり、全体的な漁獲量が減少するのは半ば当然のことだと言えます。

4.ウナギなどの高級品のマーケティング方法は2通りある

高級品のマーケティングには、通常2通りの手法が考えられます。
その一つは元々高額な商品を、より高い値段で提供する手法です。

もう一つは低価格で設定しながら、リーズナブルな値段で提供する手法です。
バブル期のような経済拡大期には、前者の手法を採用するのが有利です。

中間層自体も資金力に余裕があるので、高額商品にも手が届きます。
それに対して経済の縮小期には、この手法はマーケティングとして通用しません。

そのため高額商品に関しては、庶民的なイメージによって売り出すのが効果的だと言えます。
または、販売数量を限定することで付加価値を付けることが出来ます。